雨降って、感極まる

1,2日目と晴天に恵まれたのですが、3日目は、ツアーが出発すると小雨となり、昼ころ願入地区の「胞衣 みしゃぐち」(http://www.echigo-tsumari.jp/2009autumn/artworks/index.php?id=012) についたときには、土砂降りになってしまいました。なかなか魅力的な作品なのですが、粘土質の地面を大きく掘って、その土を壁にし、屋根には土地の空き家からとった板材をならべただけという建築物ですので、足下はすべるし、靴は泥だらけ。中に入っても「雨漏り」がひどくて傘をさしていても落ち着いて見ることができません。ほうほうの体で、バスに戻ります。

お隣に座った方は、はるばる神戸から来たというオジサン。カサがないということで、相合傘となったのですが、午後に行った、ジェームズタレルの「光の館」(http://www.echigo-tsumari.jp/2009autumn/artworks/index.php?id=111)などがあるナカゴグリーンパークでは、雨が小降りになってきたこともあり、ひとりでさっさと歩いていかれました。妙齢のご婦人であったなら、恐らく走って追いかけて傘を差し出したところなのですが。

ナカゴグリーンパークは、信濃川の西側、河岸段丘にあります。土砂降りの時には霧にかすんで見えなかった信濃川の向こうに、越後三山、巻機山谷川連峰雄大な姿が、うっすらと青く浮かび上がってきました。小白倉の「はなの棲む家」(http://www.echigo-tsumari.jp/2009autumn/artworks/index.php?id=466 )を見て、「KAMIKOANI」へ行く間に通った尾根伝いの道からの景色は、さらに圧巻でした。西側から徐々に晴れ始め、周囲を覆っていた霧を追い払うと、残った霧をちょうど白い衣のように肩にまとった山々の頂が、夕日に映えて輝いています。バスの中はため息と歓声につつまれたのでした。雨にたたられどうしでしたが、その償いを最後に3倍にして返してもらった、そんな一日でした。