2009-01-01から1年間の記事一覧

来年こそは

今年はどういう年であったか。年末にかけて、さまざまな問題が起こった。わずらわしい限りである。しかし、それでは年の前半、中盤は快調であったかというと、別に、なのである。結局大したことのない1年ということであろうか。それでも、一昨年の暮れは、休…

腹が減れば腹が立つ

まったく、今日も遅いのだ。何をやっておるのか。夕飯は遅くとも7時半までにしろといったはずだ。いや頼んだのだ。懇願したといっていい。いつになく低姿勢を貫いたのは、年の瀬であるし、息子も受験であるし、軋轢はできるだけ避けたかったのだ。にもかかわ…

絵画と音楽

文章は音楽である。とするならば、絵画も音楽であるはずだ。具象画がいわば散文であるとするならば、抽象画は、詩である。描かれたもの自体に意味はない。描かれたもの、その色や形の作り出す、リズムや感覚に意味がある。であるから、この絵は、こういった…

文章は音楽にのって

例の税金問題で名を馳せた茂木健一郎氏は、たまにテレビでみかけると、なんでもやたら脳に結びつけて、解説する。脳科学者であったのかもしれないが、今はテレビタレントに堕したかと思っていたが、ひょんなことから、「脳を活かす勉強法」というのを読んで…

自殺を考えてみる(つづき)

国際比較統計を見ると、色々な事実が目にとまります。日本の男性は、10番目ですが、その上の9カ国のうち、旧ソ連圏の国が7カ国を占めています*1。残り2カ国は、ハンガリー、スロベニアで、旧ソ連の影響下にあった東欧の国です。さらに、11〜31番目の間の21カ…

自殺を考えてみる

先週金曜の朝、駅に行ってみると、駅前は大混雑でした。どうやら人身事故のため、電車が運転をやめているようです。家を出る前に見たニュースでは、東西線の人身事故を伝えていたのですが、自分の乗る路線でも同時に起きるとは、思ってもいませんでした。こ…

雨の日で土曜日は

雨の日は、それだけで憂鬱なものだ。そしてそれが月曜となれば、なおさらだ。憂鬱の2層倍である。今日はしかし、月曜ではない。花の土曜日だ。お休みであり、朝から寝坊である。昨夜調子に乗っていささか飲みすぎたようだが、目覚めはさほど悪く無い。しかし…

バングラデシュの交通マナーはなぜ悪いのか

先週とある宴席で、以前バングラデシュ出張に一緒に行った人と、あの時の渋滞はひどかったという話になりました。どうしてああもバングラ人の運転は、無秩序なのだろう。バングラ人は、インド人に比べればよほど控えめな国民なのに、車を運転させると、譲る…

その後の事情

息子は、水曜日には熱も平熱にもどり、登校はできないものの、家で受験勉強中です。熱も38度を超えませんでした。私の方も、いまのところ何の兆候も無く、どうやら感染はまぬがれたようです。やれやれ。 そもそも、本当にインフルエンザだったのか、疑問です…

新型インフルエンザ襲来す

ついに恐れていた事態が起こってしまいました。昨日息子が熱をだし、今日医者に行ったところ、新型インフルエンザと判定されたのです。昨夜の段階では、熱が37度5分程度、高熱がインフルエンザの特徴と思い、タダの風邪と安心していたのですが。来年大学受験…

年の瀬は詐欺のお手並み

20XX年ももう暮れようというころのことである。一時しょうけつを極めたオレオレ詐欺も、警察の必死の捜査、なりふり構わぬ啓蒙運動*1によりようやく下火になろうとしていた。警察関係者がほっとしたのもつかの間、新たな事件が起こったのだった。「もしもー…

奮闘する若者

再び若い女性の奮闘記を読みました*1。著者が、大学在学中の昨年10月から70日間、自ら売り込んだ企画に25社の企業の協賛を得て「タダで」世界を回った記録です。あだなが「はあちゅう」ですと、いきなり脱力するような紹介があり、おつむは軽いが、腰も軽い…

噛まれても虎子をとる

バングラデシュという国をご存じでしょうか。たいていの人には、ほとんど縁がなく、貧しく人口だけは多い国といった印象なのでは。私の場合は、仕事の関係で毎年何度か出張で行き来しています。その貧しいバングラデシュで、バッグを生産して日本で販売して…

瑞牆山とケーブルとグーグル

先週土曜、友人2人と、山梨の奥秩父山地、瑞牆(みずがき)山に登ってきました。登り口からいきなり道を間違えて、10分ほど歩いてから引き返したり、ハイキングのつもりで来たのに、頂上までの最後の登り300メートルほどが、花崗岩がごろごろする急な岩場で…

日本人と宗教性(2)

経済原理からすれば、若手の言うとおりなのです。中国製は、安いが品質はそれほど良くない。日本製は、品質は最高かもしれないが、顧客にとってそれほどの高品質は必要でないので、安い方を選ぶ。国際競争に勝つには、品質が落ちても安いものを作るしかない…

日本人と宗教性

河合氏は、日本人が「日常の一つ一つの中に、ものすごい超常性を常に感じている」といいます。だから、日本人がものをつくると、「やたら凝りだします。このへんが歪んでいたら嫌だとか言って、やり直したり、ものすごい細かいことをちゃんとや」る。「これ…

宗教を比較してみる(2)

正月の三が日に、毎年延べ9千万人(!)の人が初詣にでかけるのだそうです。イスラム教徒のメッカ巡礼でもせいぜい100万人程度ですから、いかにもすごい人数です。釈氏が学生を連れて初詣のフィールド調査をやって、参拝に来た人に、信じる宗教はなんですか…

宗教を比較してみる

先週土曜、朝日カルチャーセンターで、釈徹宗氏の「宗教聖典を乱読する」とい講座を聴講しました。釈氏が出版した、「宗教聖典を乱読する」の出版記念講義だそうで、本では、3大宗教のほか、ヒンズー、神道、ユダヤ教の聖典も取り上げていますが、講座は、…

生まれ変わった自分(2)

「もう少し」と自分では思っているのかも知れないが、客観的に見たら、「相当な違い」なんだと思う。仮に本当にもう少しなら、とっくに実現できていたはず。あるいは、近い将来実現できるだろう。そうではないから、「もう少し」あったら、と今嘆いている。…

生まれ変わった自分

随分昔のことです。確か会社の昼飯時だったか、次に生まれ変わったら何になりたいか、といった話題になったことがあります。役者になりたいとか、どうせなら女に生まれ変わりたいとか。座興ですから、適当なことを言い合っていたのですが、その中のややひね…

バレエの「魔力」(2)

ザハロワさまを知ったのは、鈴木晶氏のブログ*1を見てからです。そもそもバレエを見始めのころは、鈴木氏のバレエ入門書「バレエの魔力」に大いに助けられました。 氏が、この本を書いたのは、『「おじさんたちにバレエを見てもらいたい」という切なる願いか…

バレエの「魔力」

昨日は、新国立劇場でバレエ「ドンキホーテ」を見てきました。オヤジがバレエ?と驚かれるかもしれませんが、バレエに関心を持って、見に行くようになったのは、つい最近、2〜3年前からのことです。バレエといえば、最初に記憶があるのは、小学校にあがる前…

大掃除と金融危機の深い関係(2)

金融工学を駆使して、市場のゆがみを見つけ、お金を右から左に動かして儲ける。パソコンと先端プログラムを使い、身体はできるだけ使わず、頭脳のみを使い、お金からお金を生み出す現代の錬金術。これこそがスマートで先鋭的な仕事なのです。しかし、競争が…

大掃除と金融危機の深い関係

今日は、朝から部屋の大掃除でした。最初は、ベッドパットを取り替えるついでに適当にやるつもりが、段々と熱中してきて、ベッドをどかして掃除機をかけたり、本棚のほこりを拭き取ったりと、午前いっぱい掃除をしてしまいました。掃除をしながら考えたのは…

人生に悩みはつきず

今朝の新聞の人生相談のことです。普段は、めったに人生相談を読みません。相談者の悩みが、概略しか書かれていないので、いまひとつ背景がわからず同情できないし、回答に感心したこともあまりありません。今朝は、回答者が車谷長吉というので、どう答える…

音楽と知性

簡単に傑作をものするといえば、モーツアルトの話を思い出しました。モーツァルトは、頭に浮かんだ曲を一気に譜面に書き下ろし、訂正することも無かったという逸話を聞いたことがあります。念のためウィキペディアを調べて見ると、『下書きをしない天才』と…

上手下手と芸術性 2

2004年、上野の国立西洋美術館でマティスの絵画展がありました。「大きな赤い室内」や「ルーマニアのブラウス」、挿絵本「ジャズ」の原画シリーズなど150点ほどの作品が集められ、大変充実した展覧会でした。興味深かったのは、作品自体もさることながら、マ…

上手下手と芸術性

岡本太郎は「今日の芸術」において、『以前は、できるだけ精巧に描くことが画家の目的だったのですが、今日の絵ではある意味において、下手に描くということが芸術家の大きな目的になっております』と言っています。ピカソにせよ、マティスにせよ、『ひじょ…

西原理恵子は天才か

毎年出版される本の数は、途方もありません。読む価値のある本を選ぶには、書評が頼りです。何人かのブログをフォローして、読む本を選ぶ参考にしているのですが、小飼氏のブログはそのなかの、条件付ではあるものの、一つです。2,3日前の小飼弾のブログに…

中年クライシス 2

彼は今までのやり方が通用しないことに苛立っているようです。新しい職場で、環境が変わったことが大きいでしょう。しかし、仮にそうでなかったとしても、いずれそうなっていたのではないか。若いうちは、ある程度自分の思う通りやれた。上司と意見の相違は…