大掃除と金融危機の深い関係(2)

金融工学を駆使して、市場のゆがみを見つけ、お金を右から左に動かして儲ける。パソコンと先端プログラムを使い、身体はできるだけ使わず、頭脳のみを使い、お金からお金を生み出す現代の錬金術。これこそがスマートで先鋭的な仕事なのです。

しかし、競争が厳しく、同じやり方で儲け続けることはできない。一般人が理解できないような複雑な仕組みを次々と開発していかなければ、あっという間に転落してしまう。その行き着いた先が、サブプライムローン証券化というスキームで、その顛末は皆さんご存知の通り。
これはアメリカの強欲金融資本主義の問題で、我々には関係ない話と、すましているわけには行かない。ベッドの下から出てきた、いつそこに入れたか覚えのない額縁を雑巾で拭きながら、私はそう思うのです。身体を使う労働は、価値の低いもの。掃除などは、それしかする能力のない人間に、安い賃金でやらせればよい。そのような意識を持っている限り、我々は、破綻したリーマンブラザーズの連中と同類なのです。
私は、今こそ声を大にして言いたい。精神と身体を分け、精神活動のみを人間らしい活動とする西洋流の考え方を見直さなければならないと。掃除は、英雄的行為なのであると*1
誰に対して? 私が奮闘しているにもかかわらず、全く手伝おうともしない、かみさんに対してなのですけどね。

*1:内田先生がそうおっしゃっています:http://blog.tatsuru.com/2009/06/24_0907.php