宗教を比較してみる

先週土曜、朝日カルチャーセンターで、釈徹宗氏の「宗教聖典を乱読する」とい講座を聴講しました。釈氏が出版した、「宗教聖典を乱読する」の出版記念講義だそうで、本では、3大宗教のほか、ヒンズー、神道ユダヤ教聖典も取り上げていますが、講座は、時間の都合で、3大宗教のみ。
氏は、住職であり、かつ兵庫大学でも比較宗教思想を教えておられるそうです。内田樹先生のブログで講座を知ったのですが、なかなか興味深いものでした。そもそも、浄土真宗の住職でありながら、アザーン*1が好きで、アザーンのCDを時々聞きながら車を運転するというユニークな方です。お経を覚えるため、CDで流しながら運転することもあるが、今交通事故にあって自分が死んだら、お経だけが事故現場に流れるだろう。随分シュールな光景だろうなと思ったりするそうです。

キリスト教と仏教の違いで面白い話がありました。キリスト教は、伝道を重視しますが、迫害がひどければひどいほど、信仰の正しさが証明されると説いているのが大きい。一方仏教は、伝道どころか、寺に入門したいという人がいると、わざとつっぱねて、その意思の固さを確かめたりする。三蔵法師は、仏典を求めて、わざわざ天竺まで行かなければならなかったのですが、ザビエルは、頼まれもしないのに、はるばる日本まで、布教に来たのです。日本人の初詣と宗教意識の話も面白い。(つづく)

*1:イスラム教の国に行けば、どこでも聞こえる、1日5回のお祈りへの呼びかけ。「神は偉大なり、モハメッドは神の使徒である」といった文句はほぼ一緒ですが、朗々と朗誦する節回しは、国によって違っています