豊かな自然に映えるアート

今回のツマリ行最後の4日目は、レンタカーで回ることにしました。もうひとつツアーはあったのですが、見学予定の作品のほとんどは2006年以前からの作品で、既に何回か行ったところです。自分で動いて、初めての作品を見る方が良いだろう。しかし、作品地図だけでは、到底正確な場所は分からない。道に迷ったらという心配はありました。しかし、3日目に里山の景色に圧倒され、迷ったとしても、景色を見るだけでも満足だと思いなおしました。

最初は、松代の蓬平の「いけばなの家」です。2006年の時は、大白倉でかなりの数の民家を使った生け花展が見られたのですが、今年は、小白倉に一軒とこの蓬平の一軒だけとちょっとさびしい。それでも、一軒に9作品と盛りだくさん。どれも面白く、見ていてわくわくします*1。雨がふったりやんだり、たまに日が照ったりと、おかしな天気の中、次は、儀明の儀明劇場「倉」へ*2。ここは昨年夏に、文楽人形使いの吉田勘緑氏と、ジャズの横田年昭氏のコラボを見に来たのですが、アート作品である舞台自体はあまり見る余裕がなかったのです。

外から見ると、ただの古ぼけた木造民家です。が、中に入ると感じは一変します。家の中は、きれいに黒光りしている。家の前に小さな板敷の舞台が作られ、そこから幅2メートル程度の細い廊下様の舞台が、緑あふれる、向かいの山に向かってつきだします。その突き出した舞台の赤が緑に映える。いつまでも眺めていたい風景です。朝早い時間でもあり、私以外に客もなく、受付のKさんも手持無沙汰のようで、いろいろと土地の話をうかがいました。