バングラデシュについて語るときに私の語ること

バングラデシュに関係した仕事についてから、2年近くになろうとしている。実のところ、それ以前には、仕事でかかわりあいもなく、ほとんど関心を持っていなかった。人がともかくたくさんいて、非常に貧しい国というイメージしかなかった。おそらくほとんどの日本人が、同じような程度の知識と関心しか持っていないのではなかろうか。

いわゆる開発途上国であるが、同じ開発途上国といっても、ベトナムなどは、観光地として、また料理がうまいということでも知られている。東京にベトナム料理店も多いし、毎年代々木公園でベトナムフェスタがあるが、いつも大混雑である。一方のバングラデシュは、観光資源はあまりない。ないわけではないが、日本ではほとんど知られていない。バングラデシュ料理は、インド料理に近いがそれほど辛くなく、インド料理に匹敵するくらいおいしい。私は、インド料理と同じくらい好きである。しかし、東京にバングラデシュ料理店はないかとさがしたことがあるが、結局見つからなかった。聞くところによると、東京のインド料理店の多くは、バングラデシュ人による経営なのだそうだ。バングラデシュ料理では客が来ないので、インド料理で店を開いているのだとか。

2年ほど前に最初にダッカの空港についた時は、いかにも途上国といった風情だった。街中には、高いビルはあるとはいえ、なんだか今にも倒壊しそうだし、道路はリキシャーや三輪タクシーで渋滞がひどい。交差点で止まるたびに、乞食がよってくるというありさまで、随分と辟易した。

さすがに2年近くたって、10回近く往復していると、段々と愛着がわいてくる。バングラデシュ人のいいところも分かってきた。もっと発展しておかしくないとも思う。他の国に比べて不当に低く評価されているのは、大いに問題である。少しでも、理解を深めてもらえるよう、このブログでちょくちょく紹介していくことにしたい。