日本国債格下げ

昨日のニュースによれば、格付け会社S&Pが、日本国債の格付けを、AAから AA-に格下げしたとのことだ。アメリカはもとより、スペイン以下で、中国などと同じ格付けである。格下げへの反応は、「疎い」人をのぞいて、だいたいは、そうだろうなである。むしろ今をときめく昇竜中国と同じであるから、ありがたいと思えということかも知れない。中国の財政赤字は、GDPの3%程度で、9%もある日本よりは遥かに健全である。


AA-への格下げは2002年にもされており(2007年まで)、目新しいことでもない。為替も多少円安になったものの、依然として1ドル82円台だ。アメリカ国債がAAAであることからして、もっと円安にならないのは不思議な気もするが、結局マーケットは、その程度にしか格付けを信用していないということでもある。


それはそれとして、例の「疎い」人は、もう少し発言に配慮するということができないのだろうか。脳神経細胞の密度自体が「疎ら」なのではないか。沖縄訪問の時もそうだ。「ベストではないがベター」とはどういう意味か。そんな言い方で沖縄県民が、はい分かりましたというとでも思っているのだろうか。今回の格下げについて、財政よりは政治が問題という「識者」がいたが、それもむべなるかなである。格付けにあたっては、経済的なリスクもさることながら、政治リスクも重要要素である。


以前マニラに住んでいたとき、こんなジョークがはやっていた。

シンガポール首相のリーカンユーがマニラを訪問した際、こう演説した。「自分なら3年でフィリピンをシンガポールなみの国家にしてみせる。」それを聞いたエストラーダ大統領(当時)は、こう応えた。「3年とはずいぶん時間がかかるものだ。自分なら3ヶ月でシンガポールをフィリピンなみの国家にしてみせる。」』


「疎い」人はどっちの方だろう。