いよいよハイブリッド人間

今日も暑い。昼、外を歩くと、灼熱地獄だ。日が沈んでも、まだ安心できない。東京都心では、今晩午前零時まで25度をくだらなければ、熱帯夜の記録更新(48日間)だという。まずまちがいなかろう。これから1週間はつづくというのだから、参る。なんとかしてくれ、である。


この際であるから、ハイブリッド人間でもなんでも、試みてみようではないか。例の致命的欠陥には目をつぶろう。肥満どころのさわぎではない。暑さで狂い死にするかどうかの瀬戸際なのだ。


いかにしてハイブリッド化するか。まず考えられるのは、禅である。心頭を滅却すれば、火もまた涼し。火でさえ涼しいのだ。酷暑ごときは、屁のカッパのはずだ。この「心頭」の「滅却」作用を利用し、身体のハイブリッド化をすすめるということになる。日中30度を超え、真夏日となると、心頭滅却スイッチ、オン。


といっても、修行をつんだ禅坊主ではないから、完全滅却は難しい。イメージ戦略を推奨したい。ハイブリッド化した自分を想像するのである。頭のてっぺんからつまさきまで、五臓六腑のすみずみまで、燃焼作用が停止した自分。外気からの熱のみで、身体器官を駆動させる。電力で冷たく静かに走るプリウスみたいな私。それを強く想像しよう。


おお。なんだか身体の芯から涼しくなってきたではないか。ここで大切なのは、暑いなど、爪のかけらほども思わないことだ。「あつい」の「あ」の字の第一画が脳裏をよぎっただけで、プリウスガソリンエンジンが駆動を開始してしまう。


問題は、このような滅却状態で仕事になるかどうかだ。外を歩くときは、車にはねられないように注意しなければならない。みなさまの検討を切に祈る。