運行は戻ったが

今週から、通勤に利用している電車が朝夕のラッシュ時だけ、ほぼ旧ダイヤに復帰した。くだりエスカレーターは停止したままで、電灯をまびかれた駅舎は薄暗いが、ようやく正常化した。と喜んだのもつかのま。電車が以前のように遅れるようになった。


計画停電に合わせて急行をやめ、普通電車を間引いて運転していたころは、確かにどの電車もかつての急行なみに混むようになった。本を読むこともままならず、iPodを聞きながら、じっと立っているしかない。その一方で、通勤時間は確実に10〜15分は減ったのだ。これは、驚きであった。


かつては、混雑する主要駅に近づく前に、必ず徐行運転か、数分間の停止があったのが全くなくなり、駅間ノンストップで運行されるようになったからだ。急行と普通の混在する複雑なダイヤによって、普通電車が急行を待ったり、逆に急行が普通電車の待機を待つ間徐行したりする。そういった非効率な時間がなくなった。さらには、電車と電車との間隔が長くなったことで、前の電車の乗客の乗り降りに多少時間がかかっても、長めの間隔で吸収し、電車を止める必要がなくなったのだろう。


それが、急行を再開したおかげで、ご破算になってしまった。車掌の、電車が遅れてすみませんコールはやめろ。無意味だ。遅れなかったときだけアナウンスしろ、と以前は毎日思っていたのだが、それが復活したのである。


悪いことには、急行は復活したものの、総本数が以前を下回るせいか、普通電車の混み具合は、間引き運転期間とほとんど変わらないのだ。これはひどいね。旧ダイヤより遥かに混んでいるのに、電車の遅れは旧ダイヤなみ。悪いとこどりし放題。


地震でいいことがあったとすれば、通勤時間の短縮くらいしかなかったのだ。計画停電モードにもどしておくれ。その方が良かったと君も思っているはずだ。おねがいだ。シンプルでいこう、シンプルで。